指先まで神経の行き届いた美しいつま先...高く厚い甲でポワントで立った時の美しいライン。これは他のダンスでは見られないバレエの最大の魅力とも言えますよね。だけど、レッスンの中でどんなに力を入れても、つま先が伸びない...と悩んでいる方は多いと思います。
今回は綺麗なつま先になる為のトレーニング方法などについてお話します♪
■ なぜバレエはつま先立ちなの?
その昔、イタリアの貴族の催す宴の中で踊られていたものが発展したのが、クラシックバレエの歴史の始まりです。その後、イタリアからフランスにそれが伝わり(伝えたのはフランス王と国際結婚した、バレエが大好きだったイタリアのメディチ家の娘カタリーナ)で、フランス宮廷でバレエを流行らせました。
当時、ルイ14世も大いにこれを気に入り、自ら「太陽王」と名乗り、自らダンサーとしてバレエに出演する様になり、その時に彼の専属バレエ教師をしていたピエール・ボーシャンが、自ら考案した「バレエの5つのポジション」が、今日踊られているバレエの基礎になったのは、とても有名なお話しですね。
その当時のバレエは、所謂「宮廷舞踊」と言われるもので、女性の衣裳は貴族のふんわりとした長いスカートで、足は殆ど見えませんでしたから、上半身の動きが中心なのがバレエでした。(この頃の靴は貴族の履くヒールの有るものでした)
その後、王が年を取りバレエから遠ざかった後に、貴族の娯楽であったバレエは専門的要素が強くなって行き、オペラ座が建設されたり、オペラ座バレエ学校も設立され、バレエが更に発展して行きます。
この頃から、段々足の方のテクニックも重視される様になり、衣裳も足先を見せる様に丈が段々短くなって行きました。その頃に生まれたのが、この「つま先立ち」という技術です。
最初に「つま先立ち」をして踊ったのは誰かというのは、最近は諸説ある様ですが、間違いないのはマリー・タリオーニという、今日ではバレエ界の歴史の中のレジェンドの一人として、あまりに有名なバレリーナが、当時初めて「つま先立ち」の技術を極め、大成功を収めたという歴史です。
それが、現在履かれている「トゥシューズ」という靴の歴史の始まりになりました。
■ "ルルベ"をマスターするにはどうすればいい?
ルルベは爪先立ちで立つ事です。グラグラせず、つま先立ちになり、バランスをとる事ではありません。レッスンでは、しっかり足首と内腿の筋肉を意識してみましょう。ルルベの上達には、バレエの基礎練習が重要です。最初は、爪先立ちやステップを覚える事に意識が傾きますが、首から腰までしっかり真っ直に立ち、脚の踵を高くキープしましょう。
1.バーレッスン
ルルベのコツは、先ずはバーレッスンから学びましょう。指先全部に重心をかけて、しっかり両脚で立つ事が基本です。
2.脚の甲と裏
ルルベは、バレエの特徴的なポーズです。踵を高く、脚の裏をしっかり伸ばして完全なアーチをつくりましょう。脚の甲はしっかり伸ばして長い脚を意識しましょう。
3.首と背骨と足首
ルルベは名前の通りに、高く伸びて行いましょう。伸びる時は顎が上がらない様に心掛けて下さい。
背骨の節を首までひとつひとつ積み上げでゆくイメージです。足首から首までまっすぐに伸びて、柔軟であり、手も長くなる事が大切です。
肩は下げて、力まない様、バーレッスンでイメージを固めてゆきましょう。
■ つま先を伸ばすトレーニング方法
【つま先のストレッチ】※足の甲と指の付け根の間にある筋を伸ばします。
①右足を左足の上にのせて、
体の近くにつま先を楽な状態で近づけましょう
②足の甲と指の付け根を手で持ち、
つま先を伸ばすようにストレッチ
③右足を体育座りの様に曲げ足が入るタンスなどの
隙間に足の指の付け根を入れます
※物が落ちてこないように注意
④ゆっくり膝を伸ばしストレッチしましょう
※無理をしないでください!
⑤右足が終わったら左足も同じようにストレッチをしましょう
日本人の脚は独特で、足首から親指にかけて太い筋が通っています。
なので、この筋が伸びないとつま先は綺麗に伸ばせません。
この筋をゆっくりゆっくり伸ばす意識をし、ストレッチをすると効果的ですよ!
■ 家で簡単にできちゃう、スーパーボールを使ったストレッチ方法
【つま先のトレーニング】
① スーパーボールを用意してください
②つま先の前にスーパーボールを置き、
ボールの前に立ちます
③脚の指でスーパーボールを掴みましょう
※指を曲げず指通しを押し合うようにしながら
掴みます
④掴んだらつま先を伸ばした状態で10秒キープ
⑤掴んだボールをゆっくり床に置き、
5セット繰り返し行いましょう
つま先を正しく伸ばすために、しっかりつま先に意識を集中して
トレーニングをし、ぜひ綺麗なつま先を目指してみてくださいね!